オルゴール
幼心に留めた旋律 錆びた音色が優しく笑う
原動切れればこぼれた様に 悲しい余韻が駆け回る
あの子はこんな綺麗な物を
知る事すら出来ないままで
先を急いで階段を 今ごろは
登っているはず
枯れ木にしがみついた一葉 晩秋心に染み込んで
白壁に掛かる写真の中の 笑顔は哀をかき立てる
この道ずっと辿って行けば
赤い実のなる丘に着くだろう
あの子はきっとその頂上で微笑んで
手を振っているはず
ここはきしんだ憂鬱の海
淀んだ風が懐かしい歌たちを運んでくるよ
幼心に留めた記憶 焼けた部分が今も痛い
原動回せば壊れたはずの あの日の余韻が鳴り響く