腐 食

左腕から右肩にかけて、蝕まれていくのが分かる

心臓の位置はまだ不確かなまま

だけど生存への血は滾るんだ


 
(心ノ中ヲ見透カサレタラ キット見ルモ無残ナ配線地獄)


左腕から右肩にかけて、細胞が死滅していくのが分かる

肺の呼吸は今も止まらぬまま

時計の如く酸素を刻み込む


(コノ身体ハ一体誰ノモノ? 脳ガ支配シテイルト知ッテテモ)


赤く塗り潰された視界は多次元体パラレルボディ

爪の先まで愛したこの身体にサヨナラ

左肩から右脳にかけて侵食が広まるのを感じた

もう神経細胞のシナプスも

接続あきらめ眠りについた


(心ヲ覗ク術ハモウ得ラレナイ 早クココカラ逃ガシテヨ!)


赤く埋め尽くされた景色は電脳テクノ妄想パラノイア

深く深く落ちていく新しい核にhello!

見事に染められていく夕焼けと同じ色

爪の先まで赦したこの身体に絡み付く・・・