目標システムコスト

各業者の見積もり

各業者の提案プランの中には、システム導入時のコストはもちろん、太陽光発電による発電量をシミュレーションして、どの程度の電気料金節約になるかも提示してきます。
太陽光パネルで発電された電力は、まず自己消費に回しますので電力会社から供給してもらう電力が減り、買電の電気料金が下がります。発電された電力の余剰分は売電できますので、売電価格に応じた収益を得ることができます。支払う電気料金から買電料金を差し引いた額が実質的な導入後電気料金になります。
導入前と導入後の電気料金の差額が節約できる金額となりますので、これを積算していき、太陽光発電システム導入時のコストを超える時点で元を取った、ということになります。それ以降は太陽光発電システムの寿命まで、発電分はまるまる収益に寄与することになります。下図において累積節約分が折れ曲がっている理由は、固定価格買取制度の売電価格は10年間一定で、その後売電価格は下がるためです。

投資としての太陽光発電システム

本プロジェクトは環境にやさしい社会を目指すとともに誰もが太陽光発電システムを導入できるような情報を提供することが目的です。
環境意識の高い人であれば、多少コストが高くても著しく損をしないのであれば導入するかも知れません。
しかしながら、多くの人は決して損はしたくないでしょう。また安からぬ太陽光発電導入にかかる費用を持っているのであれば、その費用を投資に回すことで利益を得ることだって可能なわけです。
そこで、誰もが太陽光発電システムを導入したくなる基準を、金融資産の投資と同様あるいはそれ以上の投資効果を得られるレベルとしました。
本プロジェクトでは太陽光発電システムに投資した額と同額の金融資産を年利3.2%で10年間運用した場合を考えます。10年間の節約額の総額がシステム価格と同額を年利3.2%で運用した場合の総額以上となることをコストの目標としました。
実際に目論見通りになるかは今後の本プロジェクトの検証結果が明らかにしてくれるでしょう。
太陽光発電システムの設置コストは本プロジェクト規模の5kWクラスで200万円を切る程度です。
例えば200万円で株を購入し、年間の配当金が4%の高配当株で運用した場合を想定し、税金分を引いて3.2%を目標としました。
太陽光発電システムの利ザヤがこれ以下であると株に投資した方が得ということになります。
もちろん、株にはリスクが付き物ですし、太陽光発電の場合は10年後以降の発電分は純利益となり単純比較することはできません。太陽光発電導入に対して厳しめの見方と言えます。
以下の例は年利3.2%ですが、必要に応じて年利b、運用年nを変更して目標コストの目安にしてください。
以下の例では年間削減額の7.3倍が目標システム価格となります。