プーランク/田園のコンセール
(F. Poulenc : Concert Champêtre)

ワンダ・ランドフスカ(Wanda Landowska;1879〜1959)は近代最初の大チェンバロ(クラヴサン)奏者でございます。1903年、24歳のときにチェンバリストとしてデビュー、以後バッハのスペシャリストとして活躍する一方で、新しい時代に即した作品にも意欲を示し、1923年にファリャに、1927年にプーランクに、それぞれチェンバロのための作品を委嘱しました。
ファリャのクラヴサン協奏曲は1926年に完成、初演されましたが、この曲はランドフスカには気に入らず、以後彼女は2度と演奏することはありませんでした。
これに対して、1929年に初演されたプーランクの作品では、演奏がうまくいったばかりでなく、彼女はこの作曲家と終生の友人関係を結ぶに至りました(この2人が初めて交友をもったのは1923年)。

ランドフスカに作曲を依頼されたとき、プーランクは27歳、当時「フランス六人組」の一員として旺盛な活動中で、名声も高まる一方でした。チェンバロのための協奏曲を作曲していた時期、プーランクは男友達で画家のシャンレールに恋心を抱き、協奏曲が完成すると彼に恋文を送りました。この同性に対する恋は当然のように成就しませんでしたが、プーランクの恋愛感情が協奏曲に反映されているとすると少々微妙な気がいたします。
それはともかく、プーランクのこの作品は近代におけるチェンバロ協奏曲としてはファリャのものと並んで代表的な曲となっております。

全曲は3楽章で構成され、急・緩・急の伝統的な協奏曲スタイルで書かれております。ただし、プーランクはこの曲を「クラヴサン協奏曲」ではなく「田園のコンセール」と名付けました。この場合の「コンセール」は「協奏曲」ではなく、バロック時代のフランス式管弦楽組曲を意味し、このようなタイトルにしたのは「聴く者がフランスふうに整えられた田園にいる気分になることを意図した」と作曲者自身が語っております。
第1楽章は緩やかな序奏とそれに続くアレグロ、第2楽章はシチリアーノ、第3楽章はプレストの終楽章。見かけは明らかに協奏曲ですが、各楽章、とりわけ第1楽章と終楽章はプーランクらしい多様式で書かれ、豊かな旋律性が近代的な書法と混ぜ合わされて、独自の面白味に満ち溢れております。

ここで使用しておりますのは、プーランク自身の手に成るチェンバロとピアノの二重奏アレンジでございます。
お楽しみいただければ幸甚でございます。


田園のコンセール・全曲連続再生 

第1楽章/アダージョ ― アレグロ・モルト(I. Adagio - Allegro molto) 
第2楽章/アンダンテ:シチリアーノの動きで 
     (II. Andante ; Mouvemente de Sicilienne)
第3楽章/フィナーレ: プレスト(III. Finale ; Presto) 

◇あそびのピアノ連弾に戻ります◇
◇編曲:F. プーランク ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma