版 画
(Estampes)

1902年、オペラ「ペレアスとメリザンド」の上演で作曲家としての地位を確立したドビュッシーは、創作の最盛期に入ります。
ピアノ独奏曲の分野でいえば、「ピアノのために」(1901年)、「映像」第1集(1905年)と第2集(1907年)、「喜びの島」(1906年)、「子供の領分」(1908年)のような、さまざまな傑作・佳作が続々と現れます。
「版画」と題されたこの曲集は、1903年、「ピアノのために」と「映像」第1集の間に書かれ、印象主義を確立した作品として評価されております。

全曲は3曲から成り、それぞれに、東南アジアふう、スペインふう、フランスふうと、異なる音の作りが施されております。
五音音階を駆使した「塔」、ハバネラのリズムの上で、けだるいスペイン情緒を繰り広げる「グラナダの夕べ」、そしてフランス民謡「もう森には行かない」「おやすみ、坊や」による「雨の庭」と、多彩で楽しめる曲集でございます。m(__)m

(2019.7.9〜7.16)

「版画」・全曲連続再生 

第1曲:塔(I. Pagodes) 
第2曲:グラナダの夕べ(II. La soirée dans Granade) 
第3曲:雨の庭(III. Jardins sous la pluie) 

◇「ドビュッシー/ピアノ作品集」に戻ります◇
◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様
◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma