ブラームス/ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 作品25
(Johannes Brahms : Piano Quartet No.1 in G minor, Op.25)

1855年、22歳の年にブラームスはピアノ四重奏曲を3曲同時に着想しました。その前年に初の本格的室内楽曲であるピアノ三重奏曲を書き上げたブラームスの、このジャンルに対する創作意欲はよほど高まっていたのでしょう。まず嬰ハ短調の曲から始めて、ト短調、イ長調の曲が続いて書き進められました。
嬰ハ短調の曲は翌1856年に完成し、試演も行われましたが、ブラームスはその出来に納得できず、結局お蔵入りとなりました。これがきっかけとなったのか、他の2曲は発表を急がず慎重に作曲を続け、ようやく完成したのは1861年、着手から6年ほど経過してからのことでした。ほぼ同時に書き上げられた2曲は、ト短調を第1番、イ長調を第2番として、1861年、62年にそれぞれ初演されました。

ピアノ四重奏曲第1番は、初期ブラームスの室内楽曲を代表する傑作でございます。すべての楽章の主要主題は、第1楽章の第1主題の音程関係に由来するもので、豊かな楽想に溢れながらも、すぐれた構成力で見事に構築された音楽となっております。

第1楽章

第2楽章

第3楽章

第4楽章

室内楽作品としては大作の部類に属するこの曲は、4つの楽章で構成されております。
第1楽章はソナタ形式で、ブラームスのこの種の作品としては珍しく、提示部に反復指定がございません。これは提示部の大がかりな作りから見て、妥当な措置と思われます。展開部が提示部を想起させる始まりとなっている点、同じく提示部に反復のない第4交響曲を思わせます。
第2楽章はスケルツォに相当しますが、「間奏曲」と題され、独特の幻想的な雰囲気の音楽となっております。
第3楽章は三部形式で、豊かな旋律美と中間部の緩やかな行進曲調の対比が効果的です。
終楽章は「ジプシーふうのロンド」で、きわめて熱狂的なハンガリー舞曲的曲調で驀進します。

ここで使用しましたスコアは、ブラームス自身の手に成るピアノ連弾用の編曲です。
ピアノのみで演奏されたピアノ四重奏曲第1番、もしお楽しみいただければ幸甚でございます。


ピアノ四重奏曲第1番ト短調 作品25・全曲連続再生 

第1楽章/アレグロ(I. Allegro) 
第2楽章/間奏曲:アレグロ・マ・ノン・トロッポ(II. Intermezzo : Allegro ma non troppo) 
第3楽章/アンダンテ・コン・モート(III. Andante con moto) 
第4楽章/ジプシーふうロンド:プレスト(IV. Rondo alla Zingarese : Presto) 

◇「あそびのピアノ連弾」に戻ります◇
◇編曲:J. ブラームス ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma