ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73
(Beethoven : Piano Concerto No.5 in E flat major, Op.73)

ベートーヴェンの残した5つのピアノ協奏曲の最後の作で、同時に古今のピアノ協奏曲でもっともよく知られているもののひとつが、この協奏曲でございます。
この曲は「皇帝」というニックネームで有名ですが、これはベートーヴェン自身のあずかり知らぬもので、作曲者没後に広まったものということです。

作曲は1808年から1809年にかけて、すなわち「傑作の森」の時期の終盤にあたり、この時期の特徴のひとつである曲の大規模化が明確に表れた、ピアノ協奏曲としては空前の大作でございます。
作曲中の1809年にナポレオンのウィーン侵攻があり、その影響で発表は遅れ、1811年になってようやく公開初演にこぎつけることができました。しかしながら、この公演は不評に終わり、ベートーヴェン存命中には2度と演奏されることはありませんでした。
作曲者没後、リストやハンス・フォン・ビューローによって演奏されるに至り、ようやく作品の真価が認められ、今日ではピアノ協奏曲の傑作として不動の地位を確立しております。

全曲は3つの楽章で構成されておりますが、ピアノ協奏曲第4番やヴァイオリン協奏曲と同様、第2楽章と第3楽章は連続して演奏されます。
第1楽章は長大な協奏曲型ソナタ形式で書かれております。第4ピアノ協奏曲で試みられた冒頭にピアノが登場するやり方はさらに大胆さを増し、カデンツァふうの壮麗な導入を形づくります。
第2楽章はたいへん美しい主題による変奏曲、第3楽章は長大なロンドでございます。
全曲にわたり、演奏者に一任されるカデンツァは一か所もなく、曲頭の斬新さとも相まって、19世紀ロマン派協奏曲の偉大な先駆となっております。

ここで扱っておりますスコアは、ルートハルト(Adolf Ruthardt;1849〜1934)という人の手に成る2台ピアノ版に拠っております。
お楽しみいただければ幸甚です。


ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品58・全曲連続再生 

第1楽章/アレグロ(I. Allegro) 
第2楽章/アダージョ・ウン・ポーコ・モート〜
 第3楽章/ロンド:アレグロ・マ・ノン・トロッポ
 
    (II. Adagio un poco moto - III. Rondo : Allegro ma non troppo) 

◇「あそびのピアノ連弾」に戻ります◇◇
◇編曲:A.ルートハルト ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma